学生文芸の衰退の原因

長崎純心大学文GO部  神谷 光風

 私は高校時代、物書きへの憧れから文芸部に入部しました。しかし、私が入部した時に先輩が最初にある質問をされました。早速、文学に関する質問かと身構えていたら、こんな質問でした。「お前、KANONを知っているか?」私は困惑しました。てっきり、あの音楽のカノンの事かと思って、「はい、知っています」と答えてしまいました。しかし、後で別の先輩から聞くと、もしかしたら、もうお分かりの方も中にはいるかもしれませんが、実は『KANON』は恋愛ゲームの事だと言われました。これには私も非常にショックを受けました。思えば、学生文芸の衰退もここから顕著に表れていると思います。昔、長崎大学文芸部に所属していた高校時代の担任の先生がおっしゃるには、昔の学生文芸は専門的な文学作品を語ったり、討論するので、相当な読書量が無いとついて行けなかったそうです。私としては、こちらの方が、よほど文芸部らしいと思います。今はどうでしょう。高校文芸では都心部はともかく、田舎になれば田舎になるほど、同人誌っぽい文芸誌が多くなる傾向があります(長崎も田舎の領域なので、2校除いて、ほぼ全ての学校でこのような傾向が見られます)。さらに、残念な事に大学文芸にもこのような団体が増えているのです。ここで、衰退の原因を高校文芸での経験を交えながら独自で分析してみました。

 

1、メディアの普及による活字離れ

 時代の流れとは恐ろしいものです。漫画・ゲームが原因で、子ども達が読書をしなくなりました。そこから、若者の活字離れという現象が起きており、文芸部人気・知名度の低迷の原因にも直結しています。また、文芸誌にも漫画イラストが交えている部も続出しているため、最早、何をやっている部なのか分からなくなっているのが現状です。中には、漫画研究会と合併している所もあり、さらに文芸誌の同人誌化が加速している様にも思えます。高校時代に九州大会に出場した際、その事に全く気付かず、長崎の恥さらしになった経験もあります。以後、私の高校も文芸誌という認識を改めて作成したのです。ちなみに、我が文GO部はイラストレイター採用枠(最大2人)を設けており、それ以上のイラストレイターの入部は認めないシステムになっています。今の時代はどちらを望むのかと言えば、私には断言出来ませんが、とにかく、元々文芸部とは何をやる部なのか原点に戻って考えて下さい。

 

対策としては?

 まず、人気低迷の状況の中、無茶な事を言いますが、合併という事態にならないようにして下さい。万一、合併という事態になった場合、まず、文芸系のサークルとの合併を優先して下さい。それが無ければ、とにかく、文字を手がける団体か、演劇系の団体か選んで下さい。

  合併という事態を避けるためには、積極的なアピールをして下さい。そうすれば、文

 芸部の存在に気付いてもらえるはずです。

 すでにイラストを導入している団体は、出来ればイラストを表紙にのみにして、それ以外の箇所でのイラストを禁止するのが望ましいです。また、漫画研究会と合併している場合は、漫画誌と文芸誌の区別をはっきりさせて下さい。ただし、部員の大部分がイラスト担当という場合、まず、部員全員に文芸創作に挑戦するように説得をして下さい。それで失敗した場合、諦めるしかありません。無理に退部勧告を出すと、部員がいなくなりますし、恐怖政治と変わりませんからね。

 

2、方向性の食い違い

 部員には様々なタイプがいますが、大きく分かれて純文学派とライトノベルズ派の2通りのタイプがいます。実はこの両者の共存は極めて困難です。両者共、それぞれ違った考え方・文体がありますから、すぐ口論となり、内部が崩れる恐れがあります。高校時代は私以外全員がライトノベルズ派でしたので、非常に居辛い環境でした。考え方も一致せず、口論になるのも日常茶飯事でした。幸い、我が文GO部は全員が純文学派なので、意見の食い違いという事態はあまりありません。ただ、考え方や意見は違っても、文章を書こうという志は同じであるはずです。お互いの認識を改める必要があります。

 

対策としては?

 先ほど申した通り、まずはお互いの認識を改める必要があります。そうした上で共存するにはどうすれば良いのか考えて下さい。お互いににらみ合ってばかりでは解決になりません。最悪でも内部分裂という事態は避けるようにして下さい。

 

3、ネットの普及による作品発表の場の増加

 ネットの普及により、自分のHPを持つようになり、作品をHP上に載せることが多くなっています。そうなると、わざわざ規則とかがある文芸部に入らなくても自分のHPで発表すればよかたい(何気に長崎弁)と思う人も多くいます。それも部員が集まりにくい原因に直結しています。本当にメディアは特に私達には良い面と悪い面を与えてくれます。確かにパソコンの普及で執筆活動は有利に進められました。現に私の高校の文芸誌は15年ほど前まではほとんど手書きでした。それがパソコンを使う事によって、より見栄えが良くなって、良い影響を受けましたし、原稿の提出もメールで可能になりました。そうした事から、パソコンやネットの存在を恨む事は出来ません。

 

対策としては?

 こればかりは私もまだ対策が思いつきません。皆さんと一緒にじっくり考えたい問題ですね。

 

 このように、思いっきり喧嘩を売っているような意見もありましたが(特に1)、これは今の学生文芸に対する私の不満でもあります。中にはこれを読んで気を悪くされた方もいらっしゃるかもしれませんが、もう一度、考え直してください。ただ、私も今後の学生文芸がどう転ぶかは予想し辛いです。イラスト主体と化する新しい形ができるか、あくまで文のみという以前と同じ型に戻るか、あるいはまた新しい時代を切り開くか……答えを導くのは私達一人一人です。

(8月21日完成)

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